インプラント、審美補綴、顎関節症、痛くない麻酔、歯科医院での全身管理、歯科救急
ぐんま国際アカデミーでのBLSシンポジュウム
2006年7月28日
7/25 ぐんま国際アカデミーにて、BLSシンポジュウムが開催されました。
午前の部は、4、5年生の生徒。保護者および他の市内公立学校教職員合わせおよそ80名が体育館で、埼玉医大ER科助教授輿水先生から心臓震盪、AEDについての講義がありました。
その後、AEDがたまたま配置されていたマラソン大会で心室細動になり、なんの後遺症もなく助かった田中一郎医師の講演。
愛する息子さんを高校の体育の授業中、心室細動で無くされた新潟AEDをすすめる会清水克子さまの講演。体験版AEDの取り扱いを含むBLS実習。
午後にはGKAの教職員、市内公立教員約50名のBLS実習。
学校全職員がBLS講習を受けるという事は、とてもすごい事です。
ほとんどの場合、各学校の代表のみの受講となりますが、ぐんま国際アカデミーでは、教職員から事務、学童職員にいたるまでほぼ全員の受講です。
これもぐんま国際アカデミーがすごい学校であることの証です。
この場を持ちまして、指導に当たられたインストラクターの皆様へ感謝しております。
有難うございました。
どのインプラントシステムがいいの?(インプラントを行っている歯科医師向け)
2006年7月21日
最近よく多くの歯科医師からどのインプラントシステムが良いかとの質問を受けます。
これは、私も非常に悩む問題であります。
当医院では、ブローネマルクインプラントとアストラテックインプラントのどちらかを第一選択にしております。
両インプラントは、共にスェーデン製の製品であり、科学的な根拠に基ずくリサーチが行われた上で、市場にデリバリーされた製品であります。臨床成績も大変よく、一歯欠損から歯が1本もない無歯顎まで幅広い症例に使用しております。
昨日は、アストラテックインプラントを使用して左側下顎第二大臼歯部へ1本埋入手術を行いました。(骨移植と同時手術。静脈内鎮静法下に手術を施行。)
さて、本題にもどりますが、それぞれのシステムの利点欠点をご説明いたします。
ブローネマルクインプラントについて
現在のオッセオインテグレーション(骨結合)型インプラントの代表的なインプラントであります。
利点
1.高い成功率で、3.5mm、3.75mm.4,0mm、5,0mmと幅広いインプラント直径を持つバリエーションあり。
2.インプラントとアバットメント(粘膜を貫通する部品)とはバットジョイントであり、エクスターナルヘックスにより抗回転力にも拮抗し単独歯でも使用可能。
3.手術がし易い。骨の幅がない場合でもマーク4インプラント(先が少し直径が小さく、ドリリングした穴にインプラントを埋入し易い。)で埋入ができる。(この発展型が来年発売されます。)
4.アバットメントにより角度を調整できる。(17度、30度のアバットメントがある)この30度の角度付きアバットメントを使用できることが、オールオン4に使用できる。
5.エクスターナルヘックスのため、インプラントレベルの印象でもインプラント間の角度が少し付いていても、印象が可能。
6.補綴のバリエーションがなんといっても豊富。
欠点
1.パーツが多すぎる。パーツ管理が非常に大変。
2.パーツが高価。なんでこんなに高価なの?
3.1スレッドまでの骨吸収がある。(それ以上進む事はほとんどなく臨床成績には、無関係である。)
4.スターグリップドライバーが入るスレッドには、ネジの溝が切っていない。これが、アバットメントペグとにより、誤った方向にアバットメントが挿入される危険あり。また、アバットメントスクリューとインプラント内のネジ山との勘合範囲が狭い。
アストラテックインプラント
ブローネマルクインプラントを提供するノーベルバイオケア社の研究者がアストラテックへ移籍し、ブローネマルクの欠点を改善したインプラントと言われている。
利点
1.インプラントの安定性が非常に高い。骨の安定性もブローネマルク以上に高い。
2.構成パーツがシンプルで最小限で最大限の効果を狙っている。
3.ブローネマルクインプラントより、臨床成績が良い。(個人的な感想です。)
4.インプラントとアバットメントがインナースレッドで結合のため、アバットメントスクリューのゆるみがほとんどない。
5.アバットメントを外しても、歯肉に一切炎症症状がない。ただしセメントが歯肉溝に残っていない場合。
(チタン製のアバットメントの方が最も好ましい。プレパブルアバットメント)
欠点
1.直径3.5mmのインプラントを埋入するために、直径3.2mmのドリリングをしなければならない。
(ブローネマルクインプラントでは直径4.0mmのインプラントでも直径3.0ミリのドリリング径でよい。)
直径4.0mmのインプラントでは、直径3.7mmのドリルでドリリグが必要。
つまり、骨の幅が無い場合には、埋入が困難な事がある。
2.インプラントとアバットメントがインナースレッドで結合。アバットメントスクリューを緩めても、リムーバーのみでは、アバットメントをインプラント体から、外す事が困難。必ず、平行な面を内冠のアバットメントスクリュー孔と内冠面に平行な面を作っておかないと、除去できない。このとき矯正用のシンチバックプライヤーを使用する事をおすすめします。
3.インプラントレベルでの複数歯の同時印象では、インプラント内部にインナースレッドのテーパーがきついているために、インプラッションコーピングを連結した複数のインプラントとのピックアップ印象は、トレーの撤去が困難である。これにはインプラント治療初心者の歯科医師は注意が必要。
(口腔内から印象が撤去できない可能性あり。)対処としては、20度のユニアバットメントを平衡性のとれないインプラントに口腔内でセットして、その部分のみはユニアバットメントレベルで印象を取る。ただし、この場合、模型上で最終補綴が全てのインプラントがユニアバットメントで行う事を前提となり、インプラントレベルで印象したレプリカに、アバットメントセレクションを模型で行い、口腔内で使用するユニアバットメントをレプリカにセットし、仮歯を製作する。仮歯セット時に、模型上のユニアバットメントを緩ませ、口腔内に仮歯セット時に、ユニアバットメントをインプラントにねじ込み仮歯をねじ止め固定を行う。最終印象は、再度ユニアバットメントレベルで印象する必要がる。
4.ユニアバットメントは、面接触のため、補綴物の製作にはブローネマルクインプラント以上に、精度に対する高い注意力が必要である。(これが非常に大変)。熱を加えた補綴物は、パッシブフィットしているか、疑問。?(ちょっとオーバーか?)
5.インプラントとアバットメントと結合が、スイッチングプラットホーム状になっているため(このために骨吸収が押さえられているのは利点であるが)、大臼歯の補綴の際には、歯肉からの立ち上げがかなりきついカンチャーとなる。そのためセメント仮着材が縁下内に残り易い。(なんの配慮のない、合着では必ず縁下内にセメント残留があるので注意。)また、ブラックトライアングルを形成しやすい。
色々書きましたが、この2種類のインプラントなら、高い臨床成績を得られます。
どのインプラントシステムを採用しているのか、患者さまも関心を持って頂ければと思います。
ブローネマルクインプラント、アストラテックインプラントは共に、製品の高い精度と安全性を誇るすばらしいインプラントです。パーツ自体が高価ですが、これらのインプラントを採用している歯科医院を選ぶことも大切です。
患者さまから1本いくらですかとの電話での問い合わせもありますが、体に入る生体材料ですから、科学的に安全性が確認されている、世界どこの国に行っても、パーツの交換ができるインプラントを選んで頂きたいものです。
ちなみに、3iインプラントも精度が高いインプラントですよ。
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群馬県伊勢崎市中央町10−19
植田歯科
電話0270−23−3435
電子メール ueda@cdu.jp
インプラント外来
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顎関節症の治療
2006年7月18日
前回までは早期接触についてご説明いたしました。
では、治療についてご説明いたしましょう。
まず第一選択がスプリント療法という治療方法です。
上下の歯の型と噛み合わせをとりまして、歯の噛む面をプラスティックの用材料で覆ういわゆるマウスピィースを製作します。
これを夜寝る時に使用してもらうのです。
寝ている間は、 クレンチング(噛み締め)、ブラキシズム(歯ぎしり)等がある事は珍しくありません。
その際に歯と歯が直接当たらない、状態を作ってあげるのです。
そうしますと、早期接触は生じません。(スプリントがきちんと調整されていれば)
下顎は、筋肉が最も休まるポジションにおさまり、筋肉の疲労時に蓄積する乳酸の軽減につながります。
また、顎関節内の関節円板も圧力や後部靭帯への力も減弱されます。
スプリントを使用することにより、睡眠中に顎の付着する筋肉がリラックスし、顎の関節のクリック音も軽減。
顎の開閉がスムースになります。
すべての患者さまに有効であるとは言えませんが、軽度の顎関節症や、筋症状を主症状とする顎内障の患者さまには有効であると感じております。
顎関節症
2006年7月11日
最近、Webからの問い合わせの中に顎関節症について質問がありました。
顎関節症について、少しご説明いたしましょう。
その中でも、日常臨床で最も多く遭遇する早期接触について今回はポイントを絞って、ご紹介します。
まず、顎に付着する筋肉が緊張する事なく、かつ顎の関節円板が正常な位置にある噛み合わせを中心位(専門的には、もっと難しい定義ですがここでは、一般の方が読まれる事を前提として記載しております。)。
上下の歯が安定する噛み合わせを中心咬合位といいます。
中心位と中心咬合位は、一致する事が理想ですが、人間ですので少しはズレがある事はよく有ることです。
しかし、そのズレの幅が許容できる範囲を超えてしまうと、顎から頚、肩への筋肉痛や、顎の関節がカクカクいう症状が出てきてしまいます。
そのトリガーとなる要因は、親知らずの萌出による早期接触。新しく入れた補綴物の早期接触。歯牙抜歯後長期間放置による隣在歯の傾斜、挺出による噛み合わせの変化であります。
この早期接触は、患者さまご本人では、なかなか発見できない。
その理由に、歯根膜によフィードバックにより早期接触を回避する、咀嚼経路が形成されるためであります。
それを発見するには、ティッシュペーパーをロール状にして、上下の前歯で5分〜10分程すごく軽く噛み。
ティッシュペーパーを外しカチカチと軽く噛む。
その際に最初に当たる歯が、早期接触の歯です。
数回噛むうちに、その早期接触がなくなります。
それは歯根膜によるフィードバックにより、歯全体が噛めるようにと顎全体が偏位するからです。
この偏位が筋痛を引き起こすのです。
なかなか、ご自分で早期接触を探すのは、難しいですが一度試してみてください。
次回は顎関節症の治療についてご説明いたします。
学校での突然死
2006年7月 7日
静岡県立こども病院の統計によると
「静岡県をはじめ本邦では、近年児童・生徒を対象にした学校心臓病検診が広く行われているが、今でも全国
的には年間120-160例の、本県に置いても年間数件の学校管理下の突然死が起こっているのが現状で、発
症率はほぼ横這いである。昭和60年度より平成8年度までの12年間における心疾患の関与が疑われる突然
死症例は合計39人であった。」との報告がある。
(http://www.nv-med.com/sch/jyunkanki/sick/school.htm)
また、慶応大学山崎 元先生によると、日本全国では、240名程(児童のみならず教職員を含む)の学校内での
心肺停止があると推察されるとの報告がある。(学童、生徒を対象としたBasic Life Support教育プログラム
の開発より。)
心電図解析によればQT延長症候群による突然死の危険も指摘されている。
学校の教職員は、この事をどう受け止めるのか。
一人でも、このような不幸な出来事がない事を未然に防ぐにはどうすれば良いのか。
それいには、学校内AEDの配置および教職員へのBLSプログラム受講を徹底させることであるとおもうのです。
AED設置を呼びかける新潟のうぶみさんの活動は、本当に意味があることです。
みなさん応援の程お願い申し上げます。
CARS
2006年7月 3日
久しぶりに、息子と映画を見に行きました。
CARSです。
ルーキーの選手が、3台同着となり、その決勝戦を行うというあらすじです。
それが、また泣かせるのです。
人の事など、おかまいなしにいた主人公が、ルート66沿いのひなびた町に迷い込み、そこで人の暖かみにふれ、自動車レース(スポーツ)のフェアプレー精神と人を思いやる気持ちをまなぶという、道徳的に優れた映画でありました。
本当に、泣けます。
子供の映画で泣けるのは、ファインディング ニモに続き今回2回めです。
ディズニーの映画、心荒む大人に見てもらいたいですね。
今度は、英語版に息子と2回目を見に行きたいと思います。
おすすめの映画です。
少し音がうるさ過ぎましたが。