インプラント、審美補綴、顎関節症、痛くない麻酔、歯科医院での全身管理、歯科救急
インプラント位置決めインデックス印象(インプラント専門医向け)
2006年8月31日
ノーベルバイオケア社製ブローネマルクインプラントを利用した位置決めインデックス印象法について、ご説明します。
ブローネマルクインプラントの利点として、平行性が著しく異なった印象を取る事が可能であることがあげられる。
アストラ等のインプラントのように、インナージョイントのインプラントでは行えない、テクニックである。
これからご紹介する症例は、下顎骨の下顎管が極めて近いため、通常のインプラントが不可能であり、どの歯科医院でも、手術不可能とせれたケースである。
もちろん、下顎神経移動術や、骨移植やディストラクションを行えば通常の平行性が保たれる埋入方向もとれなくもない。しかし、それには、神経麻痺や、骨採取の為の数カ所の手術部位が必要となりリスクも高まる。
そこで、関連病院でCTを撮影してもらい、それをもとにシンプラント上でインプラントシミュレーションを行い、意図的に下顎管を回避する埋入方向をとった。
もちろん、これから説明する印象方法を知っていなければ、このような方向へのインプラント埋入は考えつかないであろう。
さて本題の印象法であるが、右側下顎臼歯欠損部へ3本のインプラント埋入を行った。
そのうち、真ん中のインプラントについて、アクセスホールが頬側にくるようにわざと傾斜埋入を行った。
これは前記のごとく下顎神経損傷を回避するためである。
印象は、比較的平行性がとれている前の1本と最後方との1本計2本のみで行った。
採得した印象に石膏を流し込み、2本のレプリカが石膏内に植立された模型を作る。
口腔内では、平行性がとれていない3本を印象用コーピングでパターンレジンで固定する。
硬化したパターンレジンを口腔内から撤去して、模型に戻す。
2本目のインプラントは、フィクスチャーレベルでパターンレジンで固定されている。
前1本と最後方の1本を利用して模型上でパターンレジンで固定されたインデックスを固定する。
この際、2本目のフィクスチャーレプリカが入る部分の石膏を大きく穴をあける。パターレジンインデックスが正確に石膏模型に戻ったところで、超硬石膏を注入して2本目のフィクスチャーを石膏内に取り込む。
石膏硬化後に、使用する角度付きアバッメントを模型内でチョイスし、その後石膏模型内でインプラントを次第とする仮歯を製作する。
最終印象は、平行性がとれた状態で再度精密印象を行い、最終補綴物を製作する。
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