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創傷治癒促進
2006年11月30日
創傷治癒促進のため、歯科では、PRPなる自己血を遠心分離して、成長因子を含む血小板濃厚液を使用することがあります。
これには、費用も手間もかかります。
もっと、簡単に創傷治癒促進ができないのか。?
そう考えている時、とある症例に遭遇いたしました。植田歯科HP(tp://www.cdu.jp/inp_03.htm)および日本インプラント学会でも発表致しましたが、それは、交通事故の青年の外傷後の創傷治癒が極めて悪いことがきっかけで、ある微量元素に着目いたしました。
それは、、、、、、、
亜鉛です。
亜鉛は、DNA-,RNA-polymeraseあるいはDNA,RNAの修復、複製に関与した酵素であり、亜鉛が低下すると、情報伝達上のエラーが起こるばかりではなく、アフリカツメガエルの卵母細胞から生成された(Trandcription facter)TFAが亜鉛をキレート結合処理によりDNAと結合ができなくなってしまいます。
つまり、細胞の正常代謝が阻害されてします可能性があるのです。
もっと簡単に臨床的な亜鉛欠乏症状をご紹介いたしますと、、、、。
食欲不振、味覚/嗅覚障害、成長不全、生殖機能不全、創傷治癒障害、インポテンツ、脱毛、免疫不全、皮膚病、その他多々。
では亜鉛不足を解消するには、どうすればいいのか。
もちろん、バランスよい食生活も大切ですが、結構多いのが他科からの投薬のチェックです。
他科からの何らかの薬剤投与により生体にある亜鉛がキレート結合されて体外に排出せれてしまします。
投薬を一時中止するか、亜鉛の投与を行えば、亜鉛不足による上記症状は軽減いたします。
それでいろいろ薬剤を調べたところ、ありました亜鉛を安全に投与することのできる薬を見つけました。
その薬剤の名は、プロマック です。
元々は、胃潰瘍の薬です。
この薬を、抜歯後やペリオの手術後、インプラントの手術前後からの投与を食後投与することにより、驚く程の創傷治癒促進作用を認めました。
この投与の仕方にも、ちょっとした工夫がありまして。
口腔内に直接作用させるために、プロマックと水を口に含み、口腔内でクチュクチュさせ1分程口腔内に停滞させ食後に服用させる。(1日2回 必ず食後!に)
空腹時に服用させると、胃酸である塩酸と亜鉛が結合して塩化亜鉛が出来てしまいます。
これは嘔吐作用がありますので。プロマックを服用してこのような症状がある患者さまは、1日量を3回に分けて服用するまたは、口腔内の傷に水で溶いてペース 状にしたプロマックを塗布するといった方法もあります。
これにより、創傷治癒が促進されると共に、舌痛症の患者さまには極めて有効であります。
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