インプラント、審美補綴、顎関節症、痛くない麻酔、歯科医院での全身管理、歯科救急

こんな質問を頂きました。
答えはYesでもありNoでもあります。
これを可能とするには様々な条件があります。
ではその条件というものをご説明しましょう。

まず、インプラント治療を行う歯科医師の経験です。
講習を先月聞いて初めてインプラントを行うのか。
何年の臨床経験があるのか。
麻酔や緊急時に対処できるスキルがあるのかどうか。
インプラントはどのシステムを使用しているのかどうか。
初めに私と即日負荷補綴との出会いからお話しましょう。
たしか６〜７年前ですインプラント埋入即日補綴を知ったのはブローネマルクノバムというシステムであります。（ブローネマルク　ノバムは、科学的な根拠に基づいたインプラント医療としての即日負荷補綴の代表であります。）
この手術を見たときの衝撃というのは、すごかった。鳥肌が立った事を記憶しております。
この一連の術式を見て、あれぐらい感動したし手術はいまだかつてありません。
まして、患者さまの手術後の感動は、私のそれとは比べ物にならないでしょう。
それから数年が立ち、即時負荷というコンセプトが確立されて一般臨床へフィードバックされました。
私も下顎を中心に（少ないが上顎の症例もあります）、インプラント手術即日補綴を行っております。
この即日補綴を可能とした立役者は、なっといっても進歩が著しいCT解析技術の向上にほかなりません。
これはCT画像をもとにインプラントの診断および治療ガイドまでできる夢のようなシステムがあります。
その代表的なものがノーベルガイドやシムプラントシステムであります。
話をもとに戻しまして、、、、、
１日で歯が無い人が、インプラントを土台にした歯を入れるのは可能にするのには、条件が必要であります。
その大きな条件とは、まずは、歯が無い事。
これは当たり前じゃないかという読者もおられるかもしれませんが、感染して痛くて噛めないぐらぐらの歯を抜歯して即日に歯を入れたいという患者さまが多い事多い事。
このような場合、歯の周りの歯肉や骨組織には、炎症が波及したり骨の吸収を併発している事が多いため、少なくても私はこのような時には即日にインプラント埋入は行いません。（重度歯周病罹患歯を抜歯して即日にインプラント埋入ケースもまれには存在すると思いますが。）
抜歯を行い、きちんと歯肉が治癒してから、後日インプラント処置を開始いたします。

次に大切な条件は、今入っている義歯が適正な形や顎位にあるかどうかです。
これは、絶対的な条件であります。
即日できますと患者さまにお話をしても、この条件が満たされなければ絶対に即日負荷補綴はできない。
なんでか、上の歯がガタガタの状態では、下の無歯顎にインプラントを入れても埋入方向がガタガタになったり、上に作る補綴物も上の歯並びに合わせて悪い状態になってしまうからです。
まずは、上の歯並びを直すか（多くの場合、下顎が義歯であると上も義歯の事が多いために上下で理想的な噛み合わせとなるように、作り直します。それからスタート）
義歯を理想的に直してから、インプラント治療がスタートします。

次に大切な事は、インプラントの初期固定。
先のブログに書きましたが、アダプテーションテクニック等を使用してできるだけインプラント埋入時のインプラントの初期固定が得られるように埋入します。これが得られなければ即時は補綴は行いません。

ざっとあげても様々な難関？があります。
すべてをクリアして１日で歯を入れられます（仮歯です）。
ここまでくるのには、数回の来院が必要な事はいうまでもありません。
最後い声を大にしていいたい事があります。
即日補綴をうたい文句にしている医院には、私があげたインプラント即日補綴の基準をないがしろにしているところが、往々にして存在しているという事。
簡単に言いますと
即日補綴をうたい文句に患者さまを集める。
即日補綴の条件に合わなかった。（例　インプラント埋入時の初期固定が得られなかった。または初期固定が不良であった。）
しかし、患者さまには即日に歯が入ると約束をした。
だから無理して即日補綴を行った。
こんな、理論を通す歯科医師が出現する可能性があるという事を知っといて下さい。

私の場合、即日補綴が絶対にできますとは絶対に言わない。
条件がよい場合にのみに、即日補綴を行いますと説明を行います。
インプラント埋入時に初期固定に不安があったら、隠さず患者さまに説明を行い、そのインプラントは治癒期間をおいて遅延負荷を行います。
即日は、できなくても後日きちんとした補綴物を入れる事ができます。
または、IPI（仮のインプラント）インプラントを併用したりして即日負荷補綴を行う事もあります。
しかしこの場合にはIPI（仮のインプラント）併用には、正規のインプラント間に十分な幅がある場合にとまた制約もあるのですが。

ここまで即日負荷補綴についてご説明いたしましたが、また質問等がございましたらメールいただければ幸いです。
お気軽にメールください。お待ちしております。
植田歯科　e-mail info@cdu.jp