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Cerec 近心傾斜歯牙は、間接法で
2007年7月 7日
Cerecの弱点といいますか、器械の癖と理解すればいいでしょうか。
同じ形成した窩洞でも、撮影する方向により適合に大きな差がでます。
(遠心壁より出来上がったものが低いです。なぜ、、?)
今回、近心傾斜した歯の撮影は、直接法ではなく間接法が好ましい事を発見いたしました。
その理由とは、、、、、、、
なぜかといいますと、カメラプローブの柄が太いからです。
このカメラプローブの柄が近心傾斜した歯牙を撮影しようとすると、手前の歯牙に当ってしまうために、直接法であると必然的に撮影方向は、その歯の遠心からの斜めの撮影方向となってしまいます。
(上のインレーと同じものです、遠心壁にぴったりあってます。見る角度でこんなに適合が違います。)
そうしますと、2点の部分で大きな狂いが生じます。
1つは、インレー(今回はMO窩洞)の窩洞遠心壁との適合。
近心傾斜した歯牙を直接法(今回は模型で模型をトリミングしない状態で撮影)では、この窩洞遠心壁部のインレーが設定マージンより低く、適合が甘い状態となります。
もう一つの、コンタクトの強さ。
遠心斜めから歯牙(近心傾斜歯牙)を撮影すると近心コンタクトは、近心隣接歯牙とのコンタクトが緩めに、遠心側では、遠心隣接歯牙とのコンタクトはきつめになります。
単一方向から撮影した画像のアンダーカットは自動的にコンピューター処理されて、アンダーカットがなくなります。
(複数方向からの撮影は、アンダーカットは再現されます。では複数方向からの撮影すれば良いじゃないかと言うかもしれませんが、今度は処理速度の低下、コンピューター上でのデザイン時エラー発生率の上昇、それになにより出来上がった物がアンダーカットを再現したものとなり、実際の口腔内には入りません。)
では、これを補正するにはどうするかと言いますと。
間接法で近心隣接歯牙をトリーマーで削り、その模型を撮影することです。
(模型のトリミング。*インレーはトリミング前に撮影してできたインレー不適合がよく分かります。)
(模型をトリミングして、真上から撮影してできたインレー。遠心壁の適合もぴったりです。)
これにより近心傾斜した歯牙はインレー挿入方向真上の挿入方向から撮影できます。
コンタクトはきつめにデザインする。
難しいですね。コンピューターデザインは。
この癖を早く理解することがデザインの早道か。
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