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Doctor's BLOG

重要 緊急報告 フィラー混入型歯磨剤使用にはご注意を!

2010年1月 6日

とても大切なご報告があります。
インプラント上部構造セット後、数年が経過している患者様にとある異変が起こりました。
その患者さまは、1ヶ月に一度は来院してPMTCを行う患者さまです。
とてもプラークコントロールが上手で、いつも口腔内は清潔であります。
上顎前歯部に数年前に1本インプラントを埋入し、ネジ止め固定。セメントは一切使用しておりません。
その患者さまのインプラント埋入部位の歯肉から何やら白い球状のツブツブが出てくるのです。(β-TCPのセラソルブの顆粒をもっと小さくしたような球状のツブツブ)
手術録を確認しましたが、β-TCPのオスフェリオン等も使用しておりませんし、骨かな?
さっそく歯科用顕微鏡Zeiss Pico でこの球状のツブツブを確認してみると。

IMG_4690小笠原歯磨き粉.jpg
(歯肉の中央部に発赤があり中心部に白いツブツブがあります。何だ?)

何とどのツブツブも同じ色調。円形です。
これは、人工物であるとすぐにわかりました。
でも、何だろう?
しばらく考え。思いつきました。
そうだ!(脳内生理学者の茂木健一郎先生の言う「Aha !」体験ですか?
脳内にドーパミンという脳内快楽物質が分泌された瞬間でしょうか?
ちょっとオーバーか?)
まさか?と思いつつ、患者様がご使用している歯磨き粉の品名を尋ねると、「いま持ってます。」とのこと。
その歯磨き粉をプレートの上に少量とり、それを歯科用顕微鏡で見てみますと。
なんと、BINGO!

IMG_4695クリアマックス粒.jpg

(歯磨き粉の中にあの白いツブツブが!)

IMG_4692デンタークリアマックス.jpg
(ライオン デンタークリアMAX)

インプラントと歯肉の結合は長い上皮での結合となります、健全な歯と歯肉は強固なシャー繊維であるためにこの様な粒が入りづらいと考えます。
しかし、SRP後の長い上皮の結合で深いポケットを形成した部位には、同じような症状が出現する可能性もあります。
このツブツブですが、溶解性が無いようでそのまま歯肉内に残留して機械的な刺激を作り粘膜の裂開を生じます。
たまたま今回この症状と原因がわかりましたが、メンテナンスに来ない患者さまがこのような歯磨き粉を使用した場合、最悪の場合、粘膜の穿孔、歯肉の裂開、インプラントの露出、インプラントの喪失を引き起こし可能性もあります。

同じようにフィラーを混入している製品は多くあります。注意が必要です。
例えばサンスターOra2のような清涼カプセルが入っている製品もインプラントメンテナンスには使用しない方が良いかも知れません。

上記報告を各歯磨剤メーカーに連絡をしてみたいと思います。
「このごろ歯肉の状態がおかしいな」と思ったら、是非、歯科医師にご相談下さい。

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群馬県伊勢崎市中央町10−19
植田歯科
植田晋矢
電話0270−23−3435
キーワード インプラントに使用禁忌歯磨剤、ライオン デンタークリアMAX フィラー混入型歯磨剤
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